八ヶ岳 赤岳 (2899m) 県界尾根経由 2011年7月18日
所要時間 3:54 車道終点−−4:29 廃林道分岐−−5:05 小天狗−−5:51 大天狗−−6:55 赤岳 9:39−−10:19 大天狗−−10:50 小天狗−−11:12 廃林道−−11:36 車道終点
概要
台風の影響で1日しか天候が持たなそうなため手軽な県界尾根経由で赤岳を往復。出発時、下界は星が見えなかったが雲海を抜けて薄曇りの空へ。登山道は廃林道を少し登ったところと小天狗付近で笹が刈り払われていたが、まだ笹が茂る区間あり。もう少し手入れをすれば1級の登山道になる。台風から湿った空気が入っているはずで山頂からの展望は期待していなかったが過去の展望の中で最高だった。高原山(直線距離で約160km)が見えたことには驚いた
世の中は海の日の3連休だがうちの会社は節電対策で月火が休業。いやらしいことに台風が接近中で火曜日は雨なので1日しか使えない。下界は猛暑でアルプス級しか登る気が起きず、日帰りとなるとやっぱり赤岳が一番手軽だ。今シーズン最初の赤岳だが、もう谷筋の雪も無いかな。3連休の最終日なので滅茶込みはしないだろう。
日曜移動なので時間制限なし、距離無制限で高速は5割引きなので須玉まで中央道を走って下道に移り登山口の車道終点へ。車は1台しか無く寂しい限りだ。バス転回所より僅かに下った定位置スペースに駐車して寝た。さすが標高1670mは涼しい。長ズボンに長袖シャツを着ないと寒いくらいであった。
車道終点 | まだ月が明るい |
4時間半睡眠後に起床、朝飯を食ってまだ真っ暗な中を出発。昨夜は星が見えていたが今は見えない。たぶん低い雲海の雲で標高が上がれば雲の上だろうと想像する。雲はそれほど厚くないようで暗闇の中に赤岳頂上山荘の光が見えていた。
廃林道から登山道へ | 樹林途中から見た赤岳 |
廃林道を巡り登山口手前で朝露に濡れた笹が両側から垂れ下がって濡れてしまうためロングスパッツを装着。なんか去年より笹が成長したような。廃林道から離れて登山道に入るとやっぱり笹がはみ出すが、これを刈れば1級の登山道になるのだが。ところが少し進んで傾斜が立ちあがると明らかに笹を刈り払った形跡があった。もうちょっと範囲が広がれば。ぐんぐん登って標高が上がると笹が消えて鹿の食害が目立つシラビソ樹林を登る。1か所だけ樹林が切れて山頂が見える場所があるが、いつのまにか雲が消えて赤岳山頂はきれいに見えていた。季節がら虫が多いのはしょうがなくアブがまとわりつく。先週はこれにやられて酷い目にあったので今週は虫よけで防備した。ま、先週はそれでもやられたが。
野辺山ルート合流 | 刈り払いされていた |
小天狗 | 小天狗先の砂礫地から見た富士山 |
小天狗先の砂礫地から見た赤岳 | |
縞枯れ帯 | 大天狗 |
山頂が近付く | ここよりダケカンバが増える |
標高2650m岩場下から見た北関東の山 | |
標高2650m岩場。最初は横移動 | 次は上に鎖場 |
枯れ沢 | 枯れ沢上部 |
野辺山からのコースと合流し小天狗通過。ここも笹が刈り払われていた。その先の開けた場所で写真撮影。このまま山頂到着までガスがかからなければいいが。この付近の笹はそのままだった。シラビソ樹林を抜けて大天狗を通過し、ダケカンバの混じった尾根を登って標高2650mで鎖場と梯子の岩場登場。ここで東側の展望が開け本日は奥日光も見えた。鎖を使わずクリアして梯子だけはお世話になった。その次の涸れてガレた谷には雪は無く、ここも鎖を使わずハイマツ等に掴まってクリアする。展望荘分岐の上の梯子で下ってくる人と遭遇、この日最初のお客さんだ。山頂からは北アもバッチリ見えたとのことで楽しみだ。
森林限界を超えて横移動 | 赤岳展望荘分岐上の梯子 |
赤岳展望荘 | 今回は上越国境が見えた |
群馬中部〜北部の山(クリックで拡大) | |
さらにトラバース | 最後の小尾根に乗る |
赤岳頂上山荘 | 頂上山荘から見た赤岳山頂 |
梯子を登って斜面をトラバース、これまた鎖のかかった岩場を鎖を使わず横切って小尾根に取り付けば山頂は近く、山頂北側の主稜線を縦走する登山者の姿が間近に見られる。石段を登って頂上山荘前を通過、主稜線に出たが強風は吹いていない。そして北アの大展望。南端の乗鞍岳から北端の乗鞍岳まで、おまけに立山劒岳も明瞭に見えていた。これだけ見えたのは初めてだろう。台風一過なら話は分かるが耐風接近時にこんなに空気の透明度がいいとは。
3連休最終日だけあって赤岳山頂は満員というほどの人だかりではなく適度な人数だった。たぶん昨日は凄かっただろうな。目の前の阿弥陀岳に取り付いている登山者の姿も見える。北側に目を向けると北信の焼山、火打山、妙高と並んでおり、その右手には志賀高原の山、もっと右は谷川岳周辺の山が。それより東は霞んでしまっていたが平ヶ岳より東になると再び山が現れ尾瀬周辺の山はほとんど見えて奥日光につながっていた。これだけ見えれば言うことは無い。山頂で2時間半ものんびりしてしまった。最初は晴れて日差しもあったが徐々に雲が増えてきて最後は寒くなった。時々ガスもかかるようになり天候は下り坂だ。
下山を開始すると県界尾根を下る登山者を数人追い越した。車の数と合わないのでたぶん真教寺尾根を登ってきた登山者なのだろう。廃林道に出て車道に出る前で沢で水浴びし汗を拭きとってから車に戻った。